室町時代創建の富谷観音三重塔は関東の宝

一人歩き探検旅

今日は、小山寺(おやまじ)、通称「富谷観音」に行ってきました。

ここの三重塔、関東以北では最古、栃木県益子町の西明寺三重塔と並び、室町時代の創建なのです。

もちろん、国指定重要文化財です。

JR水戸線岩瀬駅から徒歩で1時間くらいですが、電車のアクセスがあまり良くないので、車を飛ばしてやってきました。

小山寺(富谷観音)縁起

当山は、天平7(735)年、聖武天皇の勅願によって行基が開創したと伝えられています。その際、行基が大和の国から数百の工人を率いてこの山に分け入り、堂塔伽藍の造営がなされ、自作の鉈彫十一面観世音菩薩を本尊仏とし、寺号を「施無畏山宝樹院長福禅寺(せむいざんほうじゅいんちょうふくぜんじ)」と名付けられました。

その後、釈迦院、文殊院、不動院、多聞院、如法堂、桜本房などの三十六院が整備され、僧坊も多数あり、幾多の堂宇が立ちならび三重塔ならびに本堂を中心として、一山形式を取り、富谷山全体が聖地霊山にされたと伝えられ、朝廷より主田千百余町歩を賜り勅願寺になりました。

また、慈覚大師が東北遊化の際、大師自刻の不動明王と多聞天を脇侍として七堂伽藍が整えられたと伝えられています。

平安末期の久寿2(1155)年から暦仁元(1238)年にかけてこの地方を支配していた、下野国の「小山下野守朝政」は当山に帰依して大いに外護し、そのおり「長福禅寺」から「小山寺」に改められました。朝政は、後年出家し法名を「生西」と名乗り、その4年後に亡くなっております。 

豊臣、徳川など各時代の領主から二十石の朱印を安堵され明治維新まで続きました。

昭和59(1984)年に、山形県寒河江市慈恩寺の大日如来坐像の体内から発見された経文の奥書に「常陸国笠間郡小山寺、大檀那長門守藤原朝臣時朝」と記されていたことで、当時の「笠間城主笠間時朝」より小山寺に寄進された大日如来が慈恩寺に移されたことが明瞭になりました。

https://oyamaji.sakura.ne.jp/history/history/

関東以北で希少な三重塔

五重塔や三重塔は、仏舎利(釈迦のお骨)を納める仏塔(ストゥーパ)の意味合いがあります。超有名な法隆寺の五重塔(国宝)には、6粒の仏舎利が納められていると言われています。

その辺のことを掘り下げると、主題からあっちのほうへ行ってしまいますのでこのくらいで。

三重塔について、文化庁のデータベースから検索して分析してみました。

三重塔の国宝及び重要文化財… 全国で77ヶ所(うち国宝は11ヶ所)

三重塔でなんといっても超有名なのが、奈良斑鳩町の法起寺のものでしょうか。飛鳥時代、現存最古の三重塔です。

その中で、関東以北をみると、なんと五ヵ所しかありません。国宝もなしです。

  • 西明寺(茨城県益子町)… 室町時代(1537年)創建
  • 輪王寺(栃木県日光市)… 江戸時代(1690年)創建
  • 小山寺(茨城県桜川市)… 室町時代(1465年)創建
  • 新勝寺(千葉県成田市)… 江戸時代(1712年)創建
  • 旧燈明寺(神奈川県三渓園内)… 京都から移築

小山寺の三重塔が関東以北で最古であることが立証されました!(^^)!

ちなみに五重塔は、、、

五重塔の国宝、重要文化財は全国で38ヵ所あります。うち国宝は11ヶ所。

五重塔は数は少ないですが、それぞれにメジャーですからご存じの方も多いですよね。そのうち関東には4ヶ所あります。

東照宮(栃木県)、法華経寺(千葉県)、旧寛永寺(東京都)、本門寺(東京都) です。次回はその中から、法華経寺をレポートしてみましょうネ。

アクセス

北関東自動車道の桜川筑西ICから車で10分程度。富谷観音まで上がる道路は二つあって、いずれも、つくば益子線から入りますが、西寄りの新道(片側一車線)を入ってください。旧道は道幅が狭いです。

行こうと思う方は下記のマイYouTube動画でご確認ください(^^♪

電車の場合はJR水戸線岩瀬駅から徒歩1時間ほどですが、ちょっと登りがあります。

それではマイYouTube動画でご覧下さい。

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