巨大地下神殿に潜入する

一人歩き探検旅

異次元、非日常の世界を探検する一人歩きの旅シリーズです。

今回は、正式名称「首都圏外郭放水路」、通称名は、巨大防災地下神殿(龍Q館)。
要するに洪水対策施設なのですが、映画やTVドラマでも使われるほどインスタ映え、迫力満点の施設なのです。

超人気のインパネ探検コースを、70sが体を張ってスリリングに満喫してきました。

詳細はこのYouTube動画で公開中ですので、ぜひご覧ください。

首都圏外郭放水路とは…

首都圏外郭放水路は、日本の首都圏で水害を軽減することを目的とした治水施設で、埼玉県春日部市の金野井地区にあり、国土交通省が管理しています。

このあたりは、かつて利根川の本流が流れていて、土地が低く水が溜まりやすい地形となっているようで、昔から地域にある中小河川により洪水に悩まされてきたそうです。

そこで、これらの河川を地下でつないで余分な水をいったん貯めて、江戸川に放流するという世界最大級の巨大施設が誕生したようです。平成5年(1993年)に着工し、平成18年(2006年)に完成しました。

地球温暖化が加速し、思わぬ水害や災害が全国で多発しています。そういう意味でも先見の明があった施設と言うわけですね。

この8月に神田川沿いをすべて辿る一人歩きの旅をしましたが、やはり神田川でも至る所で治水事業の工事が大々的に行われていました。治水は喫緊のテーマなんですね。

ちなみに、その神田川レポートですが、いくつかのシリーズでYouTubeにアップしていますので、どうぞこちらのリンクからご覧ください。

さて、その首都圏外郭放水路の仕組みですが、国道16号線の地下に立坑と言われる水を貯蔵する巨大タンクがいくつか埋設されていて、中小河川の余分な水をそこに送り込みます。

その水を、巨大地下神殿と呼ばれる調圧水槽(巨大プール)に集めて、調整しながら江戸川に放流するというシステムなんですね。調整しないと江戸川も氾濫してしまうからなんでしょう。

簡単に説明してしまいましたが、お分かりいただけましたか?

習うより慣れろ、の通り、ご興味のある方は一度見学に訪れると良いですね。見学コースがいくつかありますが、いずれも予約制なので注意してください。私が参加したときもそれを知らずに来館した方が何人がいらっしゃいました。

体験しなくてもネットの動画で良い、と言う方はコチラをどうぞ。

見学コースの概要

見学できるのは大きく三つ、立坑と言われる貯水槽、ポンプ室、そして巨大地下神殿と呼ばれる調圧水槽です。選べるコースは4つあります。いずれも有料です。

台風などの悪天候の際はシステムが稼働するので、中止か制限付きになるようなので注意しましょう。

  • 地下神殿コース   ~巨大地下神殿(調圧水槽) 約55分/お一人1000円
  • 立坑体験コース   ~第一立坑を奥深く探検 約110分/お一人3000円
  • ポンプ堪能コース  ~巨大地下神殿(調圧水槽)とポンプ室内 約100分/お一人2500円
  • インペラ探検コース ~巨大地下神殿(調圧水槽)と立坑、インペラ(巨大羽根車) 約110分/お一人4000円

※コースによっては、階段を歩いたり高所から覗いたり、膝上まで水に浸かったりしますので、体力に自信のない方、高所閉所、恐怖(笑)に弱い方、シニア(私も)の方は良く検討してからにしてくださいね。もちろん小さなお子様同伴も予約の際にご確認を。

詳しくはこちらの公式サイトをご覧いただきご確認下さい(上記情報はあくまでもご参考)。

私が体験した巨大インペラ探検コース

私が体験した巨大インペラ体験コースについて、簡単にレポートします。他のコースのうち「ポンプ堪能」のみ体験していませんが、このインペラ体験コースはおすすめです。なんといってもスリル満点、巨大地下神殿の奥の奥まで、膝上まで浸かって侵入するわけですから…。

まず、龍Q館(本館)二階で、地図や模型を使って施設全体のレクチャーを受けます。続いて中央操作室(コントロールルーム)を見学。見学と言っても窓越しですが、この操作室は映画やテレビドラマでもよく使われる人気のスポットです。

2階展示室は無料で誰でも見学できるので、予約の前にまずは行ってみるのもいいかもしれませんね。

ひと通りのレクチャーが終わったら、一階に下りて、ヒップウェーダー(長靴)とヘルメット(ヘッドライト付き)を着用します。ヒップウェーダー装着は初挑戦なのでちょっと緊張。足のサイズは二つしかないようで、ちょっと大き過ぎるのですが、まあ、ガマン。

いよいよ、見学開始。参加者20名がインストラクターに連れられぞろぞろと列を組んで進みます。芝生の多目的広場(実はこの地下に巨大神殿がある)の端まで歩きます。

長靴のサイズがフィットしなくて、歩くのが難儀。これからの階段上り下りが心配になりますが、後の祭り。まあ、なるようになれ。

最初のチャレンジは第一立坑です。広場の一角の建物に入ります。この立坑、全部で5つあるらしいのですが、巨大地下神殿(調圧水槽)にいちばん近くにあり、接しています。あとの4つは国道16号線の地下に埋まっていて、全部つながっています。

参加したのは猛暑の8月。むっとして湿度が上がったのがわかります。螺旋階段を少し下りると立坑が見えてきました。内径31.6m、深さは71mらしい。ネットが張ってあるので顔を突き出しての見学はできません。撮影もレンズの小さいスマホだったら何とかネットに邪魔されず大丈夫です。

別の立坑体験コースでは、ここからさらに下まで螺旋階段を下るようです。

次はメインの巨大地下神殿(調圧水槽)に潜入します。入口の建物から入り、階段を116段下りていきます。116段と言えばビルの5~6階くらい。危険なのでこの間は撮影禁止、何人かに分けて慎重に階段を下りていきます。

巨大水槽の最低部まで下りてきました。数日前に関東に台風が上陸したので、このコースは中止かと思っていたのですが、埼玉地方はあまり降らなかったそうで、実現しました。

ありました、ありました。まさに巨大地下神殿です。いくつも連なる神殿の柱は高さ18mの天井を支えて、水圧で屋根が飛んで行かないようにするためのものだそうです。いやはや、圧巻!!!

湿度はありますが、涼しいです。まあ、快適とはいきませんが、ところどころに水たまりもあったりして。

巨大水槽の広さは長さ177m、幅78m(面積13806㎡)だそうです。東京ドームのグラウンド面積が13000㎡ですから、それよりも広いということですね。

先ほど見学した第一立坑と横穴でつながっていますから、ここから第一立坑も見ることができます。危険なので縁へ行くことはできませんが(下に落ちます)、立坑の壁を間近に見ることができます。

数分の自由時間ののち、ここからいよいよ本日のメインイベント、巨大地下神殿の深部に分け入って、インペラ(巨大羽根車)を探検します。進んでいくと汚泥でしょうか、取り込んだ水に含まれた泥が10~20㎝くらい堆積しています。

もちろん、コースの通路部分はスタッフの方が泥を掃いてくれていますが、一年に何回かこの泥が溜まると、天井の開き扉からブルトーザーを下ろして作業し、泥を地上に上げるそうです。ほんとうに維持管理も大変なことなんですね。

というようなレクチャーを受けつつ、膝上までありそうな水場に到着。ここから水の中を歩きます。長靴にかかる異様な水圧は、川釣り経験者ならなんともないでしょうが、緊張します。こけて恥ずかしい思いはしたくないし。そろそろと、歩みを進めます。

この水には小魚もいるらしいとレクチャーされても、そんな余裕はありません。でもご安心を。大きなワニとかカニとかヒルとか、ヘビとかはいなさそう。ましてやエーリアンなんかいるはずもない(???)

巨大羽根車、インペラにやってきました。3mくらいの天井に地面に向けて設置されてあります。直径3.8m、重さ35t、巨大な換気扇とイメージすればいいでしょうか。航空機用に開発されたガスタービンが動力源で、全部で4台設置されてあるそうです。

4台全部を同時に動かすと、25mプール一杯分を1秒間で排水するらしい。ここ調圧水槽に貯められた水はこのインペラにより江戸川に放水されるわけですね。放水しすぎて江戸川が氾濫したらそれこそ大変ですから、そこのところは中央操作室で調整しているのでしょう。

巨大羽根車を感動を以って体験したところで、辿ってきた道を折り返します。

さて、地底探検いかがでしたか?

私の参加したこのコース、参加者は若い方が多いようで、確かに体力不安なシニアにはハードルが少し高いかもません。そんな方は別のコースも検討してみてください。
先ほどもふれたように、首都圏の治水事業は待ったなし。日本が世界に誇れるこういった施設に理解を深めることも大切ですね。

巨大地下神殿までのアクセス

  • 車での来場の場合、無料駐車場があります
  • 電車と徒歩の場合、東武野田線南桜井駅下車から徒歩で30~40分
  • バス便もありますが本数が少ないです(下記参照)

ここまでお読みいただいて、ご興味をお持ちになった方はコチラのYouTube動画で臨場感あるレポートをお楽しみください。

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