浦賀ドックを探検する

一人歩き探検旅

浦賀と言えば、ペリーによる黒船来航。あまりにも有名過ぎる歴史上の出来事ですが、造船所もあった、しかも名だたる船を建造していたことは、あまり知られていないようです。

2023年9月、その浦賀ドックを探検してきました。

浦賀ドックとは通称名で、厳密にいうと、浦賀にある旧住友重機械工業の広大な造船所敷地内の「第一号ドック」のことを指すらしい。

明治以来、1000隻以上の船の製造や修理を行い、レンガ造りのドライドック(水を抜くことができる)としては、日本に現存する唯一の施設だそうです。

そして、明治時代から大正、昭和と、日本の基幹産業と国防を支えてきた非常に貴重な歴史遺産なのですが、、、。

実は、この浦賀ドック。そう簡単に見学できないのです。

横須賀市観光情報サイトによると、イベントなどの一般開放日のみ見学可能、とあります。しかも案内ガイド同行が義務付けられているようです。

今日はそのイベントの初日なんですね。千代ヶ崎砲台跡を探検の際に、ガイドの方に今日からやってますよ、とススメられやってきました。

なんとラッキーなこと。

まずはそのツアーの模様をご案内する前に、知識を整理しておきましょうね。

浦賀ドックとは

公式サイトによると、最近の名称は浦賀レンガドック。開業時の会社名から取って、浦賀船渠(ウラガセンキョ)とも言うそうです。

まあ、ここでは一般的な通称名「浦賀ドック」としておきましょう。

浦賀ドックの略歴

嘉永06年(1853) 江戸幕府が浦賀造船所を設置

明治04年(1871) 日本で最初の石造ドライドックが横須賀造船所で建造される(現存/米海軍横須賀基地内=非公開)

明治09年(1876) 浦賀造船所廃止

明治32年(1899) 浦賀船渠㈱により新たにドライドックが建造される(榎本武揚らの協力)

明治35年(1902) 本格的な艦船、フィリピンの沿岸警備用砲艦ロンブロン号を竣工

明治35年(1902) 東京石川島造船所(現IKI)浦賀分工場を買収、川間分工場(川間ドック)とする

明治40年(1907) 初めて駆逐艦「長月」を竣工

大正03年(1914) 第一次世界大戦の特需で経営が安定

大正13年(1924) 国内初の鉄道連絡船として青函連絡船「翔鳳丸」を竣工

昭和20年(1945) 戦後初、第十一青函丸竣工

昭和23年(1948) 旅載青函連絡船「摩周丸」竣工

昭和30年(1955) 戦後初の自衛艦「敷設艇えりも」を竣工

昭和37年(1962) 子会社の浦賀玉島デイゼル工業と合併し、浦賀重工業株式会社を設立

昭和44年(1969) 住友機械工業と合併し住友重機械工業浦賀造船所となる

平成15年(2003) 工場集約のため閉鎖

平成19年(2007) 第1号ドックほかが近代化産業遺産に認定

令和03年(2021) 浦賀ドックとその周辺部が住友重機械工業から横須賀市に無償で寄付される

製造された主な船

軽巡洋艦「五十鈴」「阿武隈」

駆逐艦「長月」など多数

関門連絡船「長水丸」など

青函連絡船「摩周丸」「十和田丸」など

自衛艦「はるさめ」など

護衛艦「はるさめ」など

巡視艇「むろと」

航海練習船「日本丸Ⅱ世」

航海練習船「海王丸Ⅱ世」

浦和ドックの特徴

  • 世界に4か所にしか現存しない(日本で唯一)レンガ積みドライドックである(諸説あり)
  • 内部の水を抜いて作業を行うドライドック(乾ドック・乾船渠ともいう)構造になっている
  • 内部壁面が、フランス積みと言われるレンガ積み(国産レンガ)で覆われている
  • 主流になっていたイギリス積みではなかったのは、設計に携わった技師の関係と言われる
  • レンガは愛知県半田市製造、レンガ上部の石は、真鶴あたりで採れた硬い伊豆石
  • 中規模(長さ180.3m、幅25.7m、深さ10.9m)なので、中型船の建造に使われた
  • 戦前は多くの駆逐艦建造に使われた

浦和ドックの現状と課題(私見)

あくまで管理人の私見ですが、、、。

住友重機械工業が操業を停止した後、第一ドックを含む広大な敷地は、資材置き場としてしか用をなさず、そのままの形で捨て置かれた(失礼)、のではないかと思われます。

その間、横須賀市ではいろいろな活用の構想を練ったらしいのですが、いずれも実現に至らなかった。

そして、いまから2年前に横須賀市が住友重機械工業から、無償で寄付を受けたということです。ですから、市としては活用の自由度は増したということでしょう。

ひとまず、貴重な産業遺産の第一ドックを、限定的ではあるが公開して、一般の方々に見てもらおうとなったのではないでしょうか。

一口に開発と言っても、市がやることですから予算との兼ね合いがあります。市民の賛同も必要です。一部を民間に売却して、その資金で公園等に整備するとか、いろいろ検討が進められていることでしょう。

浦賀駅周辺は少し元気がなさそうです。金持ちしか来ないヨットハーバーだけでは、ちょっと寂しい。

ちなみに、そのヨットハーバーには、兄貴分の川間ドックがあります。いまは水を入れてしまって、ヨットの停泊場所になっています。遠くからなら覗くことができるそうです。

浦賀が、千代ケ崎砲台跡と、この浦賀ドックで観光地としてさらに賑わうことを願ってやまない。

浦賀ドック見学ツアーに参加しよう

お待たせしました。

いよいよ浦賀ドック見学ツアーに参加します。ツアーは「浦賀パワー!フェスティバル」というイベント会場で受付しています。いずれも有料です。

  • 浦賀パワー!フェスティバル 2023年9/23(土)から10/9(祝)まで開催
  • 浦賀ドック見学ツアー 上記期間中の土日祝日のみ開催(一日4回)
  • 千代ケ崎砲台跡ツアー 上記期間中毎日(一日2回)
  • 川間ドック見学ツアー 上記期間中毎日(一日1回)

※詳しくはコチラの公式サイトをご覧下さい

さて、ここからですが、静止画でお伝えするよりも、動画のほうがより迫力を以ってお伝え出来ます。

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