宇都宮ライトレール(LRT)を歩く

撮り鉄徒歩鉄

2023年夏、猛暑の真っ只中、鉄道大好き人間が、開業間もなく超話題の「宇都宮ライトレール」に行ってきました。

全く新しく敷設する路面電車交通(LRT)として国内初で、1948年以来75年ぶりの開業となることから、全国的に注目を集め、2023年8月26日に営業を開始しました。

今日はこの宇都宮ライトレールについてレポートします。

宇都宮駅東口停留場から、いわゆる線路伝いに徒歩鉄(乗らずに歩く)で、鬼怒川を渡り飛山城跡停留場まで歩き、そのあとは終点の芳賀高根沢工業団地停留場まで「乗り鉄」してみました。

私の基本は「乗り鉄」ではなく、できるだけ徒歩で線路づたいを歩き撮影する「徒歩鉄」なんです。鉄道会社には無銭乗りならぬ、無銭撮りなんですが、ちゃんと帰路は乗車しますからご安心を。

その模様は私のYouTube動画で詳しく紹介していますので、コチラをクリックしてみてください。すでにアクセス数が1100回を超えていますから、注目されています。

宇都宮ライトレールとは?

正式名称、愛称は?

東京唯一の都電の正式名称は「東京都電車」。「都電荒川線」「東京さくらトラム」とも呼びますが、「都電」がしっくりいきますね。江ノ島電鉄は「江ノ電」が定着しています。

さて、この新しい電車にもいろいろ呼称があるようです。

  • 宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線 ~どうやら正式名称らしい
  • 宇都宮ライトレール ~運営する事業者の会社名と同名
  • 宇都宮ライトライン ~ライトライン(LIGHTLINE)は車両の愛称で「ライト」と「雷都」と「ライン」を合成したもので一般公募で決定
  • 芳賀宇都宮LRT ~車両のボディに表示されている
  • 雷電(らいでん) ~どうも愛称らしい 宇都宮名物の「雷」と電車を合成

ネットの動向などをチェックすると、一般呼称は「宇都宮ライトレール」に軍配が上がりそうですね。

LRTって何?

ライトレール(LRT) は Light Rail Transit の略。Lightは軽量、Railは軌道、Transitは交通の意味ですから、日本語的には「軽量軌道交通」ということになります。

快適で省エネ性に優れた、新しい路面電車交通のことをいうらしいのですが、明確な定義とかはないようです。

概念としては、

主に、専用軌道を一両または数両編成の列車が電気運転によって走行。輸送力は高架鉄道(JRなどの一般鉄道)や地下鉄よりも小さく、路面電車やバスよりも大きい。と言うことらしいです。

従来から欧米では、路面電車のことを「トラム」、「ストリートカー」と呼んでいましたが、環境にも配慮した新しい交通システムとしての路面電車に対して、「ライトレール」という名称が使われるようになりました。 なお、フランスでは今も「Tram」、日本では「新型路面電車」や「次世代型路面電車」という名称が使われることもあります。(一部ネット記事引用)

ウイキペディアによると、、、

イギリスのライトレール交通協会は、専用軌道比率の高い日本の江ノ島電鉄、広島電鉄宮島線、筑豊電気鉄道、京福電気鉄道(嵐電)、東急世田谷線、阪堺電気軌道の6路線をライトレールに相当する鉄道として分類。これに対して富山ライトレールは「トラムトレイン」、宇都宮ライトレールは「トラム」、また地方鉄道路線の多くは「Electric light railways(電気軽便鉄道)」に分類している。

と、あります。

ちょっとケチをつけるとすれば、宇都宮ライトレールは「ライトレール」ではなくて、「トラム」なんですね(^_-)-☆

確かに、宇都宮ライトレール本社に取材に行ったとき、駅員さんが「うちのはトラムです」と明言していました。なるほどなるほど、と思ってしまいますが、まあ、その辺は明確な定義はないということで目をつぶりましょう。

宇都宮LRTについて

宇都宮LRT(以後略称)の概略を簡単にまとめました。

  • 事業主体は、宇都宮市(約40%)と芳賀町(約10%)を主に出資する第三セクター方式。
  • 宇都宮市内の大規模工業団地の発展により、交通渋滞が社会問題化。21世紀に入り紆余曲折を経て、持続的な都市発展の実現を目指して具体化し導入された。当所はモノレール構想もあった。
  • 路線距離は14.6㎞で、うち併用軌道が11.1㎞(約76%) 専用軌道が3.5㎞。停留場数は19。終点まで約44分で結ぶ。
  • 車両は新潟トランシス社製で、呼称は「HU300形」。Hは芳賀、Uは宇都宮の頭文字。愛称はライトライン(LIGHTLINE)、超低床電車(LRV)で三両編成で運行。カラーは雷をイメージしたイエローとブラックのツートン。地元の方はこれを称して「鬼のパンツ」と言っているらしい。
  • 本社と車両基地は平石停留場に隣接してあり。
  • 運賃は現金のほか、交通系ICカードが使えてどこのドアからでも乗降可。但し、乗降それぞれでタッチする場所が違うので特にシニアは慣れるまで大変か。

歩いて、撮って、乗ってみた

この日は猛暑中の猛暑。

平日でしたが開通5日目の早朝とあって、宇都宮東口停留場には多くの観光客が通勤客に交じって、ホームは大混雑していました。

もっとも私は乗車しないので気にしません。駅前の広場からひっきりなしにやってくるLRTに視線を向けます。駅前は昔の宇都宮駅とは様変わり、近代的な商業施設が立ち並び、大きな広場もあって、さすが、栃木県随一のメガロポリス(ちょっと言い過ぎ?)です。

停留場の近くにお相撲さんの石像がありました。

デッキの上から望むとこんな感じです。JR宇都宮駅と並行していて、直接JRから屋根付きで連絡しています。

さて、この駅前から「徒歩鉄」の開始です。

駅前に直線で伸びる道路は、鬼怒通りという片側三車線のメインの大通り。その道路の真ん中あたりに軌道が敷設されています。道路沿いには商業施設が立ち並んでいます。

LRTはひっきりなしに上り線、下り線ともに交差していきます。ダイヤ本数もかなりあるようです。

宇都宮大学陽東キャンパス停留場までは鬼怒通りを直進しますが、その先で軌道は鬼怒通りから別れ、大きく右にカーブを描いて高架になっていきます。この高架はLRT用に建造されたもののようです。

ここからが徒歩鉄の真骨頂。軌道沿いの道を探しますが、新しい高架線なので、スマホナビも言うことを聞いてくれません。見当をつけて歩きます。不法侵入はできませんから、迂回道路を探しながら辿ります。

猛暑で額から汗がしたたり落ちます”(-“”-)”

何とか辿り着きました。ここは平石停留場です。本線から右手に支線が見えると思いますが、車両基地に向かう軌道です。平石は本社と車両基地が併設されているわけですね。

撮り鉄にとっては、車両基地はイロハのイ。行かなきゃソンソン、なのです。

平石停留場から軌道沿いの道を進みます。平石中央小学校前停留場を過ぎると、軌道は再び高架になっていきます。鬼怒川が近くなってきた証拠です。ご覧のように道があるのは助かります。

但し、鬼怒川の土手に出たとしても、このLRT専用の高架橋(橋梁)は人道橋ではありません。人も通れる鬼怒橋まで迂回して対岸に渡らないといけません。

覚悟の進軍です!(^^)!

鬼怒川の土手に上がってきました。ペットボトルを買い忘れましたが、もう後戻りはできません。

土手の遊歩道を右に歩いていくと、鬼怒橋があるはずです。4、5キロ先でしょうか? 途中で橋梁を渡るLRTが撮れればこの暑さも吹き飛びます。

と言うわけで、撮れたのがこれ。橋梁を見上げる位置なのでLRTが良く映っていませんね。残念…。

うむうむ、ここまで撮れれば満足満足。

いかな撮り鉄でも、この暑さの中、ここまで来て撮る人はいないでしょう。と言いつつ、意気軒昂なのはここまで。ペットボトルも空だし、鬼怒橋は見えないし。トホホ、、、。

鬼怒橋が見えてきました。鬼怒川に入って釣りをする人が大勢います。アユ釣りでしょうか。

さてさて、この橋を渡って対岸の次の停留場まで行きたいのですが、さすが鬼怒川の川幅、圧倒されてもう足が前に進みません(笑)

対岸にたどり着いたら、今度はLRTの橋梁へ向け北上を開始します。えらく遠くに橋梁を渡るLRTが望めますが、これでは撮影になっていません。

もう少し土手を北上しましたが、これが限界です。

土手から離れ、給水も済ませ(あぁ良かった)、次の飛山城址停留場に向かいます。

飛山城址停留場の前には、見事に実った稲穂が広がります。その田園風景の中をLRTが走ります。鬼怒川の豊かな水が育てた、コシヒカリ品種の「みやおとめ」が市民念願のLRT開通を祝福しているようです。

さて、マイブログのレポートはここまで。

さすがの元気力70sのオジサンも、この暑さにはかないません。熱中症でダウンする前にリタイヤ。ここからは飛山城址停留場で乗車し、終点の芳賀・高根沢工業団地まで行って折り返します。

LRTの撮り鉄徒歩鉄の旅、詳報版はコチラのYouTube動画でご覧いただけます。車内や車窓風景も含め、始発から終点まで全行程を楽しんでいただけます。

ぜひご覧下さい。

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